せつなは、『半妖の夜叉姫』の主人公の一人である。
概要[]
殺生丸とりんの次女で、とわの双子の妹。「金色」の虹色真珠の持ち主。
赤い筋が入った母親譲りの黒髪をポニーテールに結び、右肩には白い毛皮を身に着けている。幼少期は素直でおとなしい性格であり、とわを「とわ姉ちゃん」と呼んで慕っていたが、とわとはぐれてからは父親に似た冷静沈着で感情をあまり表に出さない性格になっている。敵には容赦しないが時折他人への気遣いを見せる優しい面もある。萌にバイオリンを教わり、短期間でマスターしており、戦国時代に戻ってからも持ち帰ったバイオリンを度々弾いている[1]。
10年前、森の火事からともに逃げる際にはぐれる形でとわと生き別れ、紫織がまとめる半妖の隠れ里や楓の村で育つ。隠れ里では匿名の何者かによる援助も受けており、その人物の指示で修行にも励んでいた。のちに琥珀が頭を務める妖怪退治屋で妖怪退治を営む。とわと同様、実両親のことを知らずに育つが、麒麟丸に追いつめられた際に初めて父親と対面する。
もろはとともに現代にタイムスリップしてとわと再会するが、夢の胡蝶により眠りを奪われて火事以前の記憶を失ったため、とわを姉と信じていない[2]。夢の胡蝶は母であるりんにかけられた呪いの進行を遅らせるため邪見によって宿らされたものであり、せつなの夢と眠りは時代樹のりんの元へ運ばれている。眠りを奪われたことで朔の日に妖力を失う症状もなくなっている[3]。
殺生丸から毒への耐性を引き継いでいるが、毒液などの液体のみに限定されている。また、強い妖力を秘めているものの、自らを滅ぼしかねない諸刃の剣となっており、弥勒により兼光の巴を媒介に封印されている。是露による暴走時には右腕に血刀が出現し、妖気が蝶の羽のような形を成すなど殺生丸やとわとは違う特徴も表れている。
麒麟丸との決戦では、血刀で左頬を傷つけられ激昂した麒麟丸の攻撃で兼光の巴を折られて自身も瀕死の重傷を負い、駆けつけたとわを「とわ姉ちゃん」と呼びながら眠るように息を引き取った。その後、とわが折れた天生牙から形成した妖気の刃によって蘇った。
のちに「母を救いたい」というせつなの覚悟を聞いた殺生丸によって夢の胡蝶が切られ、眠れるようになるが、今まで眠れなかった反動から一度寝ると中々起きられない上に、朔の日に妖力を失う症状が復活し、人間の姿[4]では寒さへの耐性が常人以下になるなどの弱点も露呈している。それからしばらくはとわやもろはと別行動を取っていたが、時代樹からりんにかけられた呪いの詳細を知らされ、とわが是露を手にかけるところを阻止し、所縁の断ち切りで是露の犬の大将への悔恨の念を断ち切ることでりんを救い出すことに成功した。