概要[]
犬夜叉一行の宿敵。浅ましい心を持った鬼蜘蛛(おにぐも)という名の人間の野盗を喰った無数の妖怪たちが融合し、変化した半妖である妖怪の集合体。鬼蜘蛛や肉体を構成する妖怪たち(アニメにのみ登場した三ツ目蜘蛛など)とはまったく異なる独自の人格の持ち主[5]。口調は丁寧で慇懃無礼。
固有の姿を持たず姿を変化させる能力があり、作中ではとある城の城主・人見蔭刀(ひとみ かげわき)の姿を仮り、成り代わっている。妖怪の姿[6]になることもできるが人間の姿を好み、大勢の人間の姿を時代ごとに変えて利用しており、弥勒の祖父・弥萢との最後の戦いでは貴族の美女の姿をしていた。アニメでは、奈落の化けた蔭刀の目元には本物とは違いアイシャドウが入る。また、50年前は犬夜叉と桔梗にも変化した。
姿を変えるのには時間がかかり、その間は妖力が格段に落ちる。初期は狒々の皮を被って姿を隠すことが多かった。蔭刀に完全に成り代わる前も犬夜叉に狒々の皮を破られた際、すでに蔭刀に近い姿をしていた。用心深く退却することが多く、その場合後を追えぬほど逃げ足が速い。また、多数の妖怪たちが複雑に融合したその醜悪な外見ゆえか妖怪の姿になることはあまり好まない。新生奈落になったのちも蔭刀の姿をベースにするなど最後までその姿と顔を利用し続け、自分のものとした。
鬼蜘蛛の感情を受け継いでおり桔梗を愛しているが、同時に鬼蜘蛛を喰った多くの妖怪たちが持っていた桔梗への憎悪や殺意も併せ持っており、二つの相容れぬ感情に苦悩する。背中の蜘蛛の傷跡は人間である鬼蜘蛛の感情を受け継いでいる証でもある。鬼蜘蛛の感情を色濃く受け継いでいる時は自分の手で桔梗を殺すことはできない。さらに、桔梗が想いを寄せる犬夜叉を恨み憎んでいる。怒りや嫉妬に任せて背中の皮を蜘蛛の傷跡ごと剥がすこともある。その後、再生した肉体にも蜘蛛の傷跡が浮かび上がる。
直接の戦闘よりも人の弱みに付け込む卑劣な策略を好み、性格は冷酷。人と人との絆を呪い引き裂く、それが奈落の行動概念である。しかしそれは奈落が絆の大切さ、そしてそれを失う苦しみを知っているという証明でもあった。手駒を多用し、他者を利用するのは自分の滅びを恐れる奈落の弱さでもある。
声優は誰の姿も借りていない未変化状態を家中宏が担当し、人見蔭刀の姿を借りた奈落を森川智之が担当と区別している。無印アニメではまれに未変化状態を森川が担当する[7]など混同されていたが、完結編ではしっかりと区別されている。このような声優変更は、アニメオリジナルで先に本物の人見蔭刀が登場することによる区別のためだからである。なお、ゲーム版では一貫して森川智之が奈落の声を担当している。
作中での動向[]
50年前に犬夜叉と桔梗を憎しみ合わせ、死に追いやった張本人である。また、自分の存在を危惧して滅そうとした弥勒の祖父・弥萢と戦い、彼に代々受け継がれる風穴の呪いをかけた。それから50年後は再びこの世に現れた四魂の玉のかけらを集め始め、邪気で穢れた四魂の玉の完成を目指し、そして50年前の事件の真相を知った犬夜叉たちと対立する。
琥珀を利用して珊瑚に鉄砕牙を持ってこさせ、犬夜叉一行を殺そうとするが、かごめの破魔の矢による反撃で体を砕かれ、以降はかごめの霊力に恐怖を抱くようになる[8]。蠱毒(こどく)を吸収するまでは傀儡(くぐつ)の肉体を代用していた。半妖であるため、妖怪を阻む鉄砕牙の結界を無効化し、鉄砕牙(ただし変化しないぼろ刀のまま)を使うこともできた。
桔梗から四魂のかけらを受け取ったのちは神無や神楽などの分身を作ることが可能になった。背中の蜘蛛の傷跡は分身にも受け継がれる。分身を作ると体内の妖怪が減るのでまた新しく妖怪を吸収するという、「誰も見ていないところでの密かな努力」が必要になるという[9]。
犬夜叉に赤い鉄砕牙で結界を斬られてからは白心上人が守る白霊山に身を隠し、傭兵として七人隊を復活させ、その間に白霊山にて熟成、そして、「新生奈落」として胸部に巨大な目玉がある鎧をまとったような姿にパワーアップを遂げる。放棄した人見城の代わりに小さな山城や洞窟を本拠地にするようになった。
新生後は、相手の妖気の攻撃を返したり、粉々に粉砕されてもわずかな肉片からその場で再生したりできるようになり、無敵に近い存在となる。肉体から三叉戟などの武器を生成することも可能。肉体の不要な部分を切り捨てて遠隔操作し、攻撃することもできる。また、桔梗を慕う鬼蜘蛛の心を捨てることにも成功した[10]。
その際、自らの弱点である心臓を持たせた赤子を排出し、赤子を誘導して「鎧」(奈落自身が「城」と称するほどの力を持つ)である魍魎丸を作らせ、その「鎧」である魍魎丸を赤子ごと回収することを計画。最終的に魍魎丸に取り込まれたふりをして逆に吸収した。新生後は狒々の皮を被ることはなくなり、様々な妖怪を取り込んで強化していた魍魎丸を吸収したのちは金剛槍破と冥王獣の鎧甲をも手に入れ、さらなるパワーアップを果たした。また、新生奈落の姿も竜の尾と鎧が減り、よりシンプルな姿となった。
再び白霊山に戻り、奈落と同じ姿でより長髪の首と小蜘蛛の姿を持つ「人間の負の心」を取り戻した奈落は、蜘蛛の糸で桔梗に致命傷を負わせて葬ることに成功する。その後、鋼牙と琥珀の四魂のかけらを奪って四魂の玉を完成させ、超巨大要塞のような巨大な蜘蛛になり[11]、りんを人質にし、犬夜叉や殺生丸らに最後の勝負を挑む。
曲霊とともに犬夜叉を妖怪化させ、かごめやりんを襲わせたり、珊瑚に弥勒の父の壮絶な最期を見せるなど、犬夜叉一行を肉体的のみならず精神的にも追いつめるが、かごめに自らの潜在的な願いや心を見透かされ動揺。多量の瘴気とともに巨大な蜘蛛ごと楓の村へと突入して破壊しようとした。最終的に四魂の玉と同化して人の心を完全になくし、おぞましい姿の妖怪と化したものの、曲霊が倒されたことにより霊力が復活したかごめの矢と、完全に自分の技として昇華された犬夜叉の冥道残月破、そして殺生丸の爆砕牙の前に破れ、矢が貫通した玉と肉片から繋がる首だけの姿となり、骨喰いの井戸へと降り立った。
そのまま消滅したかに見えたが、玉の中の空間に蜘蛛の巣の中心に生首だけが鎮座したような姿で囚われており、玉の中で合体妖怪と翠子が占めていた座をかごめとともに継がされる運命にあったが、かごめが「唯一の正しい願い」を告げたことにより、翠子や合体妖怪とともに浄化される。安らかな笑みを浮かべ、完全に消滅した。
最期[]
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このため、奈落は力を得るために魂に栄養を与え、真面目な顔をした。 彼はこの力を使って他の人たちを殺さないようにして、彼の巨大な、ショーキーで満たされた体を楓の村に衝突させる準備をすることができた。 彼は犬夜叉が殺されるのを防ぐために村を破壊するというこの脅威を利用しようとしていたが、殺生丸は彼を無視し、爆走の宝石で宝石を身に付けた。 殺生丸の剣は、しかし、奈落の死を防ぐ宝石を傷つけなかった。 彼の大規模な体が村に落ち始めると、みんなが逃げ出し、村人を守ろうとした。 犬夜叉は明道禅師を使って自分の体を地獄に送りましたが、彼の魂は老人に残っていました。 かごめは、奈良の中の蛇のたまを見て、その宝石に矢を放った。
奈良の魂は、宝石を打つ前に、実際には、季節の愛は欲しくないと思っていました。喜久の愛が欲しかったし、亡くなった場所に行けないと嘆いていました。 奈落の病原菌は完全に精製され、村のほとんどは破壊から救われました。 奈良の魂は、突き刺された宝石の上の唯一の頭のように見え、骨の井戸の上に横たわっていて、戦闘の早い時期に儀子の多摩に別の希望をしたと言いました。 奈落の魂は最終的に物質世界から永遠に消滅し、盗まれたメイドはかごめを飲み込むように見えた。
奈落が作った願いは、奈落とかごめの魂が、シコンの多摩と翠子の魔法を置き換え、永遠に宝石の中で戦い続けるという宝石そのものの願いであることが明らかになった。
漫画では、奈良の魂は、犬夜叉によって永遠に破壊されます。犬夜叉は、奈良の闇の中で光明の宝石の中の光点をカットしています。 実際、犬夜叉の攻撃でこの瞬間、ナオヒと呼ばれる宝石の純度が永遠に消滅し、その中の邪悪な存在を完全に消滅させ、宝石の輝きと声は完全に止まった。
代わりに、アニメ版では、奈良の魂は、簡単に目を覚まし、暖かく感じて、平和であるかどうか疑問に思った。
他の登場人物との関係[]
犬夜叉[]
かごめ[]
弥勒[]
珊瑚[]
殺生丸[]
琥珀[]
神楽[]
桔梗[]
鬼蜘蛛[]
その他[]
能力[]
半妖でありながら並の妖怪をも凌ぐほどの強い邪気と妖力を持つ。瘴気が濃く、全身が毒の塊であり相手はうかつに攻撃できない。妖怪の集合体であるため、物理攻撃で肉体を傷つけられてもその高い再生能力のおかげで痛手にはならず、浄化の力を持つ聖なる霊力などしか脅威にならない。ゆえに首を斬り落とされても死なずに動くことができる。ただし、自身と同程度の邪気の塊に体を砕かれると再生が困難になる欠点もある。桔梗いわく、本体は魂そのもので本当の身体や肉体は存在しない。
半妖の弱点である休眠期に体内の妖怪を解体して不要な部分を捨て、再構成して強化できる。また、休眠期は自分の意思で自由に選択できる。出生上、他の妖怪を吸収する能力を持つが、相手は完全な妖怪でなくてはならず人間や半妖を吸収すると自分の力を弱めることになる。捨てられた不要な部分の妖怪(毛むくじゃらや目玉妖怪など)は再び意思を持ち暴れ出す。絶対的な存在になることを望み、完全なる力を求める。
形態[]
- 狒々の毛皮の奈落
- 人見蔭刀の奈落
- 大蜘蛛の奈落
- 新生奈落
- 新生奈落 強化体
- 新生奈落の巨大蜘蛛
- 全身鎧甲の奈落
- 新生奈落 最終形態
技[]
- 瘴気(しょうき)
- 触手(しょくしゅ)
- 幻影殺(げんえいさつ)
- 巫蠱の術(ふこのじゅつ)
- 傀儡の術(くぐつのじゅつ)
- 結界(けっかい)
- 融合(ゆうごう)
- 竜の尾(りゅうのお)
- 金剛槍破(こんごうそうは)
- 冥王獣の鎧甲(めいおうじゅうのがいこう)
- 蜘蛛の糸(くものいと)
- 瘴気の弾(しょうきのたま)
関連画像[]
脚注[]
- ↑ 弥萢と戦った際など、女性の姿に化けたこともあった。
- ↑ 奈落が化けた最後の人物である人見蔭刀の年齢(『図説大全 奥義皆伝』 p.188)。
- ↑ 本格的な登場は第7巻。
- ↑ 本格的な登場は第18話。
- ↑ 自分では、その人格は「肉体を構成する妖怪たちのどれのものでもない」と語っている。一方、原作者の高橋留美子はインタビューで、奈落自体の人格は犬夜叉やかごめなどと変わらない「普通の人間」であると語っている。
- ↑ 上半身のみ人間で腰から下の下半身が無数の妖怪の融合した姿。解体時は首以外はすべて妖怪。新生後はこの姿にはならない。
- ↑ 例としては第121話におけるアニメオリジナルの回想シーンである、生前の蛮骨が奈落に出会う場面など。
- ↑ ただし、アニメでは恐怖心を抱く描写がなく省略されている。
- ↑ 『図説大全 奥義皆伝』 p.199
- ↑ この時点で背中の蜘蛛の傷跡が残っているかは不明。
- ↑ 本体は今までの人間体の裸(時に新生奈落形態)の姿で最奥部に潜む。鎧甲をまとった者や新生奈落形態の自分と同じ姿の分身や蜘蛛の肉壁に巨大な顔や目の分身を出せる。