弥勒(みろく)は、『犬夜叉』および『半妖の夜叉姫』の登場人物である。
概要[]
女たらしな不良法師。普段は法師らしく紳士的で敬語口調だが、時に素の性格が出て言葉遣いが変わり、乱暴になる。奈落に穿たれた祖父の代からの風穴の呪いを打ち破るため、長いこと一人で旅をしていた。
当初は、大きな屋敷などで妖怪や悪霊の退治を請け負うが、家の者が外に出ている間に金目の物を根こそぎ盗んだり、脅迫まがいのことをして家財を頂いて売ったりするなど、かなりの悪党ぶりを見せていた。しかし、犬夜叉一行と出会って徐々に変わっていく。
元来、冷静で頭も良いため、突っ走りがちな犬夜叉を抑えたり、自分や仲間の命を第一に考えて逃げることも選ぶ。時には仲間のために自己犠牲も辞さず、自分の怪我や不調を隠そうとする面もある。風穴は祖父・弥萢が奈落との戦いで穿たれたもので、少しずつ穴は大きくなっていき、いつかその身を喰らい尽くす。その呪いを打ち破るには奈落を滅するほかない。幼少の頃、父が自らの風穴に吸われて消滅する様を目の当たりにしている。
大の女好きなため、出会った美女の手を握っては「私の子を産んでくだされ」と口説く[4]。しかし、アニメオリジナルエピソードである無印第101話「あれから七年目のなごり雪」でこゆきを口説いた際に、「もう産みました」と返された時にはさすがに仰天していた。また、女性(主に珊瑚)の尻をなでることが多い。だがこの軽薄さは、半分は「自分の本心を他人に悟られるのを嫌がるゆえの仮面」とも言え、ある種の見栄っ張りである。
珊瑚とはやがて恋仲となり、最終回では祝言を挙げ、かごめが戻ってきた3年後には双子の姉妹に加えて男児も生まれ、3人の子どもの父親となり、楓の村で暮らしながら犬夜叉とともに妖怪退治を続けている。ただし、護符1枚につき米1俵を報酬に貰うなど、抜け目のなさはあまり変わっていない。
能力[]
強い法力を持ち、邪気に対しての抵抗力も備える。武器は錫杖。
主に法力を用いて戦うが、体術にも優れており、肉弾戦でも人間や並の妖怪相手なら圧倒できる実力。運動能力も高く、犬夜叉や雲母とも並行して走ることができるほどに足が速いほか、かごめの自転車を早い段階で簡単に乗りこなしている。
技[]
- 風穴(かざあな)
- 奈落の呪いによって作られた、敵をブラックホールのごとく吸い込む技。右手の平にある最大の武器であり、普段は数珠で封印されている。吸収の容量は無限に近いが、邪気や最猛勝の毒などを吸い込むと自分の体にも悪影響がおよび、寿命を縮める。また、風穴の縁にわずかでも傷がつくと、そこから風穴が裂けて寿命が縮まる。射程距離は100メートルにおよび、引き寄せる力は700キログラム以上。完結時には奈落を滅したことで呪いから解放され、失われた。
- 法力(ほうりき)
- 破魔の札で妖怪を浄化する技(妖怪に操られている一般人にも有効)。魔力を打ち破る法力を込めた護札を、刃物のように2枚以上連続で放つこともできる。
- 結界(けっかい)
- 意識を集中して作り出すバリアのような防御手段。あくまでも弥勒が集中している間のみ使用でき、奈落や桔梗、白心上人などの強力な結界と比べると効力は弱い。それでも蛾天丸の毒の繭から犬夜叉を守ることができたほか、狼野干の無数の狼から身を守るため楓と共同で使用することもできた。
他の登場人物との関係[]
弥勒は犬夜叉一行の中でも、普段は社交的かつ紳士的にふるまっている人物であり、村人との交渉などでは前面に立つことが多い。一方で風穴の呪いのこともあって、一行に出会うまではあまり深く人付き合いをしたがらない一面もあった。
珊瑚[]
犬夜叉[]
かごめ[]
七宝[]
阿波の八衛門狸[]
夢心[]
奈落[]
その他[]
『半妖の夜叉姫』では[]
琥珀の義兄で、珊瑚の夫。金烏・玉兎・翡翠の父だが、息子である翡翠からは「法師だけど、徳は高くない」と言われている。
奈落との戦いを終えて風穴が使えなくなってからも、妻子を養うために犬夜叉を伴い妖怪退治を続けていた。しかし、ある時に強い力を持つ妖怪と戦った際に自身の無力さを悟り、仏法に身を置く法師であるにもかかわらず神通力を得るために、2年以上前から山奥で千日行を積んでいる(第13話時点で800日目)。
四凶の1体である饕餮に「強い法力の持ち主」として目をつけられるが、とわとせつな、翡翠と協力して撃退し、千日行を続けるために山に戻った。せつなとは、半妖の隠れ里が蛾々御前の襲撃を受けた際に知り合い、彼女の妖怪の血を抑えるために封印術を施している。饕餮襲撃の際、護衛としてやってきたせつなと再会し[5]、とわとも初めて顔を合わせる。