赤子(あかご)、あるいは奈落の心臓(ならくのしんぞう)は、『犬夜叉』の登場人物である。
概要[]
白霊山にうごめく無数の実験体(赤子型の肉塊)の完成形。弥勒いわく薄気味悪いほど色白で赤子の姿でありながら、分身の中では最も格が高く、自身の片割れである白童子すらも手駒として操る。他の分身や妖怪たちの指揮権を有し、奈落と同等の立場にある「奈落の落とし子」。奈落や鬼蜘蛛(無双)とは性格や行動原理が大きく異なり、その魂の本質は謎に満ちた不明な点が多く最終的に明かされることもなかった。
桔梗を慕う人間の心、すなわち鬼蜘蛛の心を除くあらゆる資質を奈落から受け継いでいる。触れた相手の心を読み取る能力により奈落以上に人間の心を利用した謀略に長け、性格も奈落を越えて冷酷非情。桔梗を慕う心を持たず、犬夜叉いわく「奈落の性格がますますねじ曲がった心の化け物」とのことである。なお、桔梗を慕う心のほうは失敗作である無数の赤子型の肉塊に持っていかせている。
最初は一体だけだったが、神楽とともに神官や僧侶を襲撃している最中、和尚[1]の法力を受けて真っ二つにされ、その際に二体に分裂。そのうちの一体である片割れは急速に成長して10歳前後の子どもの姿をした白童子となった。分裂後の赤子は、白童子や分裂前の赤子に比べて極端に無口でほとんどしゃべらなくなったが、白童子が消滅してからは「魍魎丸の本体」としてよくしゃべる。正体は「奈落の弱点である心臓」であった。
いつしか心臓を持つ自身こそが「本物の奈落」だと考え始め、白童子とともに奈落の抹殺を画策するも赤子自身は戦闘能力を持たないため、白童子に自身の「鎧」となる魍魎丸を作らせ、魍魎丸の強大化により奈落抹殺を図る。しかし、奈落によれば赤子が裏切ることは目に見えていたらしく、だからこそ動くこともままならない赤子の姿で心臓を外に出し、赤子に強力な「鎧」を作らせてから再び吸収しようとしていた。強大な力を得た魍魎丸を使い、犬夜叉や殺生丸、鋼牙らと戦って2つの四魂のかけらを奪取するが、犬夜叉一行が見守る中、溶命樹を吸収した奈落と死闘を繰り広げて窮地に陥る。最後には自ら犬夜叉の前に進み出て奈落を道連れにする覚悟を見せるが、取り込んだ金剛槍破を操る奈落に阻止され、ついに吸収される。
犬夜叉一行、桔梗、鋼牙などに奈落の心臓であることを知られてからは長らく弱点として狙われ続けたが、持ち主である奈落が再び吸収したことでその意味をなくした。
能力[]
技[]
- 読心術(どくしんじゅつ)
- 赤子の最強の技。人間の心を読み、憎悪や嫉妬心などから心の闇を取り込む。この技で四魂のかけらを見つけることができる目を持つかごめを取り込もうとしたが、かごめの強大な魂と心の強さによって阻まれた。完結編では自身が操る魍魎丸で捕らえた琥珀にこの技を使う。
- 結界(けっかい)
- 新生奈落と同じ結界で敵の攻撃を防御すると同時に反射する。こちらは白童子の場合と違って奈落の任意で張っているわけではなく、赤子自らが操る結界。強力な結界だが、溶命樹の触手には効かず、この結界を破るために奈落は溶命樹を復活させて取り込んだ。