鋼牙(こうが)は、『犬夜叉』および『半妖の夜叉姫』の登場人物である。
概要[]
妖狼族の東の洞穴の若頭を務める少年。両足に四魂のかけらを仕込んでおり、つむじ風のように早く走れる。登場初期は右腕にも四魂のかけらを仕込んでいたが、極楽鳥の親玉との戦闘時に奪い取られた。奈落と神楽の策略によって大勢の仲間を殺されたことから、その仇を討つために奈落を追っている。
歯に衣着せぬ物言いをするタイプ。かごめに片想いしているため、犬夜叉とはいがみ合っているが、一枚上手で犬夜叉をうまくあしらうことが多い。喧嘩仲間の犬夜叉とは奇妙な信頼関係を築く。荒っぽい一面はあるが、裏表のない明朗快活な性格の快男児。かごめに会いに来る際、犬夜叉を踏んづけて、別れる際は彼女の手を握ったり抱きしめたりするのが恒例になっている。
犬夜叉とは似た者同士ではあるが、頭に血がのぼりやすく力任せに押し切ろうとする犬夜叉と違い、事前に周到な準備をしたり、状況を見渡して作戦を組み立てながら戦ったり、異様なまでに鋭い直感から不利と判断したら撤退も辞さないなど、頭脳派な一面もある。そのため、犬夜叉とは会うたび喧嘩が絶えないが、鋼牙がかごめにモーションをかけるのが面白くなくて嫉妬し、かんしゃくを起こして突っかかってくる犬夜叉を軽くいなしたり、そんな態度に怒りを通り越してあきれるなど、若い年齢でありながら荒くれ者の妖狼族をまとめ上げているだけあって、精神面では犬夜叉よりは大人なようである。また、自分が半妖であることなど様々なコンプレックスを抱えているからか虚勢を張ってばかりいる犬夜叉と違って、弥勒でさえうらやましがるほど言動や態度も自信に満ちあふれている。
最初の頃は、人間の住む村を狼たちに襲わせていたが、かごめに惚れてからは人間を絶対に襲わなくなった。狼の妖怪であるせいか、人間のかごめ相手に、食料として仕留めたばかりの生のイノシシをあげたり、土産として奈落の首を持ってくると宣言するなど、どこか価値観やセンスがズレているところもある[3]。
仲間内からの信頼も厚く、群れを守るためならば我が身の危険もかえりみず最前線で戦い抜く親分肌。その一方で、同胞たちへの裏切り者は容赦なく笑みを浮かべながら処刑するという残忍さも持ち合わせている。また、神楽の謀略によって返り血を浴びていた犬夜叉が仲間たちを殺したと誤解した時には、かごめの釈明にも耳を貸そうとしないほど激昂し、犬夜叉を本気で殺そうとするなど、自分が見聞きしたものしか信じようとしないなど思い込みが激しい。
桔梗が翠子の魂と同化したのち、四魂のかけらを埋め込んだ彼の足は敵の前で動かなくなり、窮地に陥ることが多くなった。奈落と戦うため一時期犬夜叉一行に加わったが、奈落に吸収されかけた上に四魂のかけらを奪われたため、自ら戦線を離脱する。桔梗を失い悲嘆に暮れる犬夜叉を思い、かごめをきっぱり諦めた。四魂のかけらを奈落に取られてからは犬夜叉たちに後を任せ、原作ではその後は登場していない。
アニメでは奈落との戦いが終わってから3年後、かねてより自分に想いを寄せていた菖蒲と祝言をあげ、妖狼族全体の頭領となった。
他の登場人物との関係[]
銀太・白角[]
菖蒲[]
かごめ[]
犬夜叉[]
奈落・神楽[]
能力[]
元々得意としていた体術を基礎に、四魂のかけらによって手に入れた足の速さや足技と、妖狼族に代々受け継がれてきた五雷指を武器に戦う。妖怪に詳しい珊瑚いわく妖狼族はそんなに弱い妖怪ではないとのことで、鋼牙も若頭だけあって妖狼族の中では実力は非常に高いはずなのだが、作中ではストーリーの都合上か奈落一派にはほぼ一方的にやられることも多い。
装備[]
- 五雷指(ごらいし)
- 妖狼族に受け継がれてきた妖爪。終盤に登場。雷撃を放つことができ、冥王獣の鎧甲をも突き抜けるほか、この世ならぬ者にも攻撃できる。詳細は「五雷指」を参照。
- 刀(かたな)
- 人間の侍から奪ったもので、本人いわく武器ではなく飾りらしい。作中で武器として使用したのは魍魎丸に取り込まれそうになった時のみで、これをきっかけに五雷指の入手を考えたとみられる。また、アニメ放送開始以前に制作された少年サンデーのアニメ紹介CMの中では、犬夜叉の鉄砕牙と刀で打ち合う場面もあった。
技[]
- 足技(あしわざ)
- 基本技の一つ。得意とする体術と、四魂のかけらで強化された脚力で繰り出す強烈な蹴り。飛び蹴りや回し蹴りなどがある。
- 爪技(つめわざ)
- 基本技の一つ。鋭い爪で敵を切り裂く。原作では、妖狼族の裏切り者や極楽鳥の頭を吹っ飛ばすなどしている。
- 仲間狼召喚(なかまおおかみしょうかん)
- 仲間の人喰い狼を呼び集め、目くらましや移動に使う。
『半妖の夜叉姫』では[]
妖狼族の頭領。妻の菖蒲とともに阿波の八衛門狸からもろはを託され、養父として犬夜叉とかごめの代わりに育てた。