奈落の分身として復活した鬼蜘蛛については「無双」を参照。
概要[]
50年前、全身に大火傷を負い、両足の骨が砕けた状態でかろうじて生き延び、桔梗に匿われた邪悪な人間の野盗。いずれも過去の回想のみの登場で、顔も焼けただれ、歯が数本欠けた口と生気のない右目があるほか、全身を包帯で巻かれた姿であったため素顔は不明。
自分を手当てしてくれた桔梗に片想いし、強く執着する。桔梗を手に入れるために動けぬ体を妖怪に差し出し、数多の妖怪たちと結合して半妖・奈落となる。その体は妖怪たちに喰らい尽くされ、邪悪な魂と邪念を依り代に、桔梗を慕う鬼蜘蛛の心と桔梗を憎む妖怪たちの心という相反する二つの心を持つ奈落を生み出してからは、彼が眠っていた洞窟に焼け跡のほか、50年の時が経っても草も苔も生やさないほどの妖怪の邪気を残した。
のちに奈落の分身・無双として目を覚ます。無双は記憶を取り戻した時、桔梗を傷つけたのは自分の本意ではなく、やがて閉じ込められる形で奈落に支配されたと語った。鬼蜘蛛は桔梗を連れ去り、四魂の玉を手に入れるだけのつもりだった。その後は無双として再び奈落に吸収されたのち、白霊山にて人型の肉塊として吐き出されるが、鬼蜘蛛の人格がそれからどうなったのかは不明。
アニメ版での過去[]
アニメの無印第87話では、鬼蜘蛛の過去が大きく掘り下げられている。
50年前、鬼蜘蛛は爆薬を操る凶悪な野盗・羅刹の勘助の仲間だったが、彼の手下たちを横取りする目的で裏切ったために逆襲され、勘助の起こした爆発による遊郭の大火事に巻き込まれて大火傷を負った挙句、崖から奈落の谷底へと落とされたため、両足の骨を骨折して動けなくなる。「奈落」という名前も、鬼蜘蛛が奈落の谷底へと落とされたことに由来するとされる。
大火傷を負う前の時点では、顔こそ映し出されなかったものの無双に近い姿の長髪であり、背中にはすでに蜘蛛のような火傷の痕があった。この火傷は、勘助に大火傷を負わされても消えなかった。また、無印第148話で奈落になる際は、桔梗に恨みを抱く三ツ目蜘蛛という妖怪にそそのかされて奈落になったことになっている。